今日は何の日?(8月17日)
みなさんこんにちは。
数年前の8月17日、私はインドネシアの首都ジャカルタのホテルで、出張中に体調を崩して寝込んでいました。
ジャカルタのメインストリートであるタムリン通り沿いのホテルに泊まっていたのですが、いつもは非常に交通量の多い通りが、その日は通行止めになっており、パレードが行われていました。
普段のタムリン通り。朝夕は大変な混雑になります。
はて、今日は何の日だっけ?
調べてみると、「インドネシア独立記念日」でした。
日本の終戦記念日と近いんだなあ、と思った方、正解です。
インドネシアの独立記念日は、1945年8月17日です。
すなわち、日本の敗戦を受けて、インドネシアが独立を宣言した日が8月17日なのです。
インドネシアは、1602年の東インド会社進出以降オランダの植民地となり、300年以上の支配を受けてきました。
そこに攻め込んだのが、日本です。太平洋戦争の最中、1942年2月に日本軍が支配下に置き、軍政を敷きました。
日本の敗戦後、再度オランダが戻ってくるのですが、そこからインドネシアの独立戦争が始まり、1949年12月27日に正式に独立が認められます。
そういう意味では、本来の独立は12月27日なのですが、インドネシアの人々が主体的に独立を宣言した8月17日が独立記念日とされているのです。彼らにとっては、この日が独立記念日なのです。
これを知って、私は複雑な思いになりました。
日本軍政期には、やはり苛烈な支配がなされていたようで、強制労働を意味する「romusya」(労務者)という言葉が残っていたりします。
一方で、インドネシア独立戦争においては、一部の旧日本軍兵士がインドネシアに残留して一緒にオランダ軍と戦ったことで、今でも独立の英雄とされ、美談となっています。
日本でも、インドネシアが親日的である理由の一つとして、この美談がよく取り上げられます。
これも確かに事実の一つではあるのですが、その前に、日本が支配中に行ったことを、我々は忘れてはならないと思います。現に、1970年代には大規模な反日暴動が起こっています。
今、インドネシアの人々は非常に親日的です。今の我々が、改めて謝罪する必要はないでしょう。でも、彼らが忘れてくれたからといって、我々が忘れてしまってはいけないのです。
インドネシアが「日本」から独立した日、それが8月17日なのです。
ではまた。